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(2007-11-26) ヨセフ（再会編） part 7 （前回からの続き） やがて、ヨセフが屋敷に戻ってきた。兄弟たちは贈り物を差し出して、ヨセフにひれ伏した。 ヨセフは通訳を交えてひとしきり挨拶をすると、父親の安否を問いただした。兄弟たちは答えた。「あなたさまのしもべである父は元気で、まだ生きております。」 ほっとしたヨセフは、同じ母から生まれた弟ベニヤミンをじっと見て言った。「前に話していた末の弟はこれか」と尋ね、「私の子よ。神の恵みがお前にあるように」と言うと、ヨセフは急いで席を外した。弟懐かしさに胸が熱くなり、涙がこぼれそうになったからである。奥の部屋でヨセフは密かに泣いた。 やがてヨセフは顔を洗い、平静を装って部屋に戻ると、食事を用意させた。ヨセフの命令により、ヨセフの召し使いが兄弟たちを座席につかせたが、それはきっかりと兄弟の年齢順になっていたので、兄弟たちは驚いて思わず顔を見合わせた。我々の年齢を知っているのだろうか。それとも、これは単なる偶然か？ そうして料理がみなに配られたが、ベニヤミンの料理は他の兄弟よりも５倍も多かった。一同はぶどう酒を飲み、酒宴を楽しんだ。
ヨセフは、久しぶりにベニヤミンに会いたくてこの策を講じたわけだが、いざ会うと、また別れることに耐えられなかった。不慮の死の多い古代社会のことである、これが永遠の別れになる可能性だってないわけではない。さりとて、エジプト王国の中で、自分の素性はまだ隠しておきたい。前も書いたように、ファラオの引き立てでエジプト政府ナンバー２の座についたものの、嫉妬も多い。どこから自分の失脚に結びつくか、わからない − 宴の間も、ヨセフは密かに考え続けた。そうして、ついに１つの方法を思いついたのである。 （次回に続く）
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