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(2007-11-19) ヨセフ（再会編） part 4 （前回からの続き） ヨセフは言った。「食糧を買いに来たと言っていたな。食糧を持っていくがいい。」 そう言って、ヨセフは部下に命じて兄たちの袋に食糧を詰めて送り出した。かつ、その際、兄たちが代価として支払っていた銀も密かに袋の中に返させた。 兄弟たちはろばに食糧を積んで、故郷へ向けて出発した。ところが途中の宿で、兄弟の一人がろばに餌をやろうとして食糧の袋を開けると、そこに銀が入っているのを発見した。その話を聞いて、みんなが袋を開けてみると、全員の袋の中に、代価として払ったはずの銀が戻されていた。皆、驚いて震えながら言った。「一体、これはどういうことなのだ。」 やがて兄弟たちはカナン地方に戻り、父ヤコブに一切合切を報告した。エジプトの高官（実はヨセフ）がベニヤミンを連れてくるように命令したことも伝えた。すると、ヤコブは身を震わせて息子たちに言った。「お前たちは、私から次々と子どもを奪ってしまった。私はヨセフを失った。シメオンも捕らえられた。その上、ベニヤミンまでもエジプトに連れていくというのか。」 兄弟たちは黙って伏せて聞いているしかなかった。 ルベンは言った。「もしベニヤミンを連れて帰れないようなことがあるならば、私の２人の息子を殺して構いません。どうか、ベニヤミンのことを私に任せてください。必ず連れて帰ります。」 だがヤコブはきっぱりと言った。「だめだ。ベニヤミンを連れて行くことだけはならぬ。ヨセフも死んだ。この上ベニヤミンまで失ったら、お前たちはこの白髪の父を、悲嘆のうちにあの世に送ることになる。」 最愛の妻ラケルとの間に残された唯一の子、ベニヤミンを失うことなど、ヤコブには到底耐えられなかった。 そう言われては、兄弟たちもどうすることもできない。結局、何もできないまま時間が過ぎていった。 （次回へ続く）
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