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(2007-6-26) アブラハム、イサクをささげる 前編 アブラハム編も間もなく完結である。このエピソードはユダヤ教・キリスト教圏の人々には有名な話だが、日本人の間ではあまり有名ではないエピソードになると思う。 ある日、神がアブラハムを試された。 「私が命じる山にお前の子ども、イサクを連れて行き、彼を焼き尽くす捧げ物として捧げよ」 この後、イサクを連れ出すまでのことは聖書には載ってはいないが、おそらくアブラハムは悩んだことであろう。神の命令は絶対とはいえ、正妻サラとの間に、老いてやっと得た子どもである。それを犠牲に捧げよ、とは・・・。 悩み抜いたアブラハムは結局、神に従い、イサクを犠牲として捧げることとした。明くる日、アブラハムはたきぎを割り、たきぎをろばに積んで、二人の従者とイサクを連れて、重い足取りで神が指定した山へ向かった。 神が指定した場所に近づくと、イサクは二人の従者にここで待つように命じた。「お前たちはここでろばと一緒に待っていなさい。私とイサクはあそこに行って、礼拝をしてまた戻る。」 アブラハムは息子イサクに薪を背負わせ、アブラハム自身は火と刃物を持って、二人でさらに山の奥に歩いていった。 道すがら、イサクがアブラハムに尋ねた。「父さん。火と薪は持ってきたけれど、いけにえの小羊はどこに？」 重い気持ちを押し殺して、アブラハムは答えた。「息子よ、小羊はきっと神が用意してくださる。」 （次回に続く）
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