イスラムの歴史 (2020-10-03)

(2020-10-3)　預言者ハガイ　part 1

　ユダヤ人の神殿再建の話に戻る。(2020- 6-27)　エルサレムへの帰還　part 3で書いたように、ユダヤ人による神殿再建工事は周辺住民からの妨害活動を受け、紀元前538年以降、停滞していた。

　ここで神殿工事の再開に向けて立ち上がった預言者がいた。ハガイとゼカリヤである。エズラ記第５章第１節～第２節には「預言者ハガイとイドの子ゼカリヤが神の名によって預言したので、（ユダの総督）ゼルバベルと（大祭司）イエシュア（ヨシュア）は神殿建築を再開した」という趣旨のことが記されている。

　まずは預言者ハガイから書いていきたい。ハガイがどんな人物かは記録が残っておらず、不明である。ハガイ書第１章第１節によれば、ダレイオスの治世第２年、すなわち紀元前520年の６月１日にハガイは預言活動を開始した。

　預言者ハガイはユダの総督シェアルティエルの子ゼルバベルと大祭司ヨツァダクの子ヨシュアに預言して言った。

　「今、お前たちは、この神殿を
　廃虚のままにしておきながら
　自分たちは板ではった家に住んでいてよいのか。

　今、万軍の主はこう言われる。お前たちは自分の歩む道に心を留めよ。
　種を多く蒔いても、取り入れは少ない。
　食べても、満足することなく
　飲んでも、酔うことがない。
　衣服を重ねても、温まることなく
　金をかせぐ者がかせいでも
　穴のあいた袋に入れるようなものだ。

　万軍の主はこう言われる。
　お前たちは自分の歩む道に心を留めよ。
　山に登り、木を切り出して、神殿を建てよ。
　私はそれを喜び、栄光を受けると
　主は言われる。

　お前たちは多くの収穫を期待したが
　それはわずかであった。
　しかも、お前たちが家へ持ち帰るとき
　私は、それを吹き飛ばした。
　それはなぜか、と万軍の主は言われる。
　それは、私の神殿が廃虚のままであるのに
　お前たちが、それぞれ自分の家のために
　走り回っているからだ。」

（次回に続く）