イスラムの歴史 (2019-3-9)

(2019-3-9)　エルサレム堕落の幻　part 2

（前回からの続き）

　神はエゼキエルを神殿の中庭に連れて行った。すると、神の聖所の入り口で、廊と祭壇の間に、25人ほどの人がいて、聖所を背にし、顔を東に向けていた。彼らは東に向かって太陽を拝んでいた。

　神はエゼキエルに言った。「人の子よ、見たか。ユダの家がここで数々の忌まわしいことを行っているのは些細なことであろうか。彼らはこの地を不法で満たした。また、私の鼻に木の枝を突きつけて、私を更に怒らせようとしている。私も憤って行い、慈しみの目を注ぐことも、憐れみをかけることもしない。彼らが私の耳に向かって大声をあげても、私は彼らに聞きはしない。」

　エゼキエルの見る幻は続いた。神は大声でエゼキエルに語った。「この都を罰する者たちよ、おのおの破壊する道具を手にして近寄れ。」

　すると、北に面する上の門に通ずる道から、６人の男がそれぞれ突き崩す道具を手にしてやって来た。そのうちの一人は亜麻布をまとい、腰に書記の筆入れを着けていた。彼らはやって来ると、青銅の祭壇の傍らに立った。すると、神はその書記の筆入れを着けた者に呼びかけた。「都の中、エルサレムの中を巡り、その中で行われているあらゆる忌まわしいことのゆえに、嘆き悲しんでいる者の額に印を付けよ。」

　また、他の者たちに言った。「彼の後ろについて都の中を巡れ。打て。慈しみの目を注いではならない。憐れみをかけてはならない。老人も若者も、おとめも子供も人妻も殺して、滅ぼし尽くさなければならない。しかし、あの印のある者に近づいてはならない。さあ、私の神殿から始めよ。」　彼らは、神殿の前にいた長老たちから始めた。神はまた彼らに言った。「神殿を汚し、その庭を、殺された者で満たせ。さあ、出て行くのだ。」　彼らは出て行き、都の人々を打った。

　彼らが打っているとき、エゼキエルはひとり残され、顔を伏せ、助けを求めて言った。「ああ、主なる神よ、エルサレムの上に憤りを注いで、イスラエルの残りの者をすべて滅ぼし尽くされるのですか。」　神は言った。「イスラエルとユダの家の罪はあまりにも大きい。この地は流血に満ち、この都は不正に満ちている。彼らは、『主はこの地を見捨てられた。主は顧みられない』と言っている。それゆえ、私も彼らに慈しみの目を注がず、憐れみをかけることもしない。彼らの行いの報いを、私は彼らの頭上に帰する。」

（次回に続く）

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