イスラムの歴史 (2019-2-16)

(2019-2-16)　捕囚民へのエレミヤの手紙　part 2

（前回からの続き）

　しかし、あなたたちは主の言葉を聞きなさい。私がエルサレムからバビロンへ送ったすべての捕囚の民よ。

　イスラエルの神、万軍の主はこう言われる。それは、私の名を使って、あなたたちに偽りの預言をしているコラヤの子アハブとマアセヤの子ゼデキヤに対してである。今、私は彼らをバビロンの王ネブカドネツァルの手に渡す。王は彼らをあなたたちの目の前で殺す。この二人のことは、呪いの言葉として使われ、バビロンにいるユダの捕囚民は皆、『主が、お前をバビロンの王に火あぶりにされたゼデキヤとアハブのようにしてくださるように』と言うようになるだろう。これは彼らがイスラエルにおいて愚かな行いをし、隣人の妻と姦通し、また命じもしないのに、私の名を使って偽りを語ったからである。私はこのことを知っており、証言をする。」

　エレミヤはこのような手紙を捕囚民に送った。いつかエルサレムに戻るときが来るが、それは今ではない。今はバビロンで静かに暮らし、人口を増やし、帰還の時に備えるのだ　－　そう諭したのである。

　それに対して、捕囚の地にいたネヘラミ人シェマヤは、エルサレムの民とマアセヤの子ツェファンヤという祭司に手紙を送った。「主は祭司ヨヤダに代えて、あなたを祭司とし、主の神殿の監督とし、狂い、預言する者すべてに手枷、足枷をはめ、取り締まらせた。それなのに、あなたたちに預言しているアナトトの人エレミヤをなぜ取り締まらないのか。エレミヤは、バビロンにいる我々のところにまで手紙を送って、捕囚は長引くので、家を建てて住めとか、園に果樹を植え、その実を食べよ、などと言ってきた。」

　祭司ツェファンヤは預言者エレミヤに、この手紙を読んで聞かせた。

　すると、神の言葉がエレミヤに臨んだ。「すべての捕囚民に書き送れ。ネヘラミ人シェマヤに対して主はこう言われる。シェマヤは、あなたたちに預言したが、私は彼を遣わしてはいない。彼は偽ってあなたたちを安心させようとしている。それゆえ、主はこう言われる。見よ、私はネヘラミ人シェマヤとその子孫を罰する。彼には、この民の中に住む子孫は一人もいなくなる。また、私がわが民に行う恵みの業にあずかる者は一人もない、と主は言われる。彼が主に逆らって語ったからである。」

　シェマヤが実際にその後、どうなったかは記されていない。ただ、この手紙は、捕囚に対する態度について民の間でもいろいろな意見があったことを示唆している。

（エレミヤ書第２９章より）

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