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(2011-3-24) 二人の急使 part 2 （前回からの続き） 一方のダビデは、自分の軍が出陣して以降、二つの城門の間に座って待っていた。主力部隊をほとんど出撃させ、あとは結果を待つばかりである。おそらくは、勝つはずだ。あとは、アブサロムを生きたまま捕らえられるかどうかである。そうはいうものの、戦というのは実際にやってみなければわからない。毎日毎日、ダビデは城門で戦いの結果の知らせを待った。 城壁に沿った城門の屋根には、見張りがいて町の外に目をこらしていた。やがて、見張りがダビデに叫んだ。「一人の男が、こちらに向かってきます！」 ダビデは「一人だけならば、良い知らせをもたらすだろう。」と言った。そしてその男、すなわちアヒアマツはどんどん町に近づいてきた。 すると見張りはそのとき、アヒアマツのはるか後ろをもう一人の男が走ってくるのを見た。見張りは門番に知らせた。「もう一人の男が走ってくる。彼も、一人だ。」 それを聞いたダビデはまた言った。「一人だけで来るのならば、彼もまた良い知らせをもたらすだろう。」 ダビデの考えは、仮にアブサロムが戦死したのであれば、一人で王である自分に報告する勇気があるはずがない − すなわち、一人でやってくるのならば、良い知らせであるはずだ、というものだった。自軍がアブサロム軍に勝つことが前提ではあったが。 やがて見張りは町に近づいてくる最初の男を判別して、ダビデに言った。「最初の男の走り方は、ツァドクの子アヒアマツの走り方のように見えます。」 ダビデは言った。「これは、良い男が来た。きっと、良い知らせなのであろう。」 アヒアマツは城門に着いてダビデの姿を認めると、「王に平和！」と叫び、地にひれ伏して礼をして言った。 「あなたの神、主はほめたたえられますように。主は主君、王に手を上げる者どもを引き渡してくださいました。」 （次回に続く） 参考地図1-6-21：アブサロムの反乱
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