イスラムの歴史 (2010-2-11)

(2010-2-11)　ヨナタン、命に背く　part 4

（前回からの続き）

　父サウルはヨナタンに向かって言った。

　「何をしたのか、言うのだ。」

　少しの間、ヨナタンは息を整え、そして言った。「確かに、私は手に持った杖の先で蜜を少しばかり味わいました。私は死ななければなりません。」

　震える声でサウルは言った。「ヨナタンよ、お前は死ななければならない。そうでなければ、神が幾重にも私を罰してくださいますように。」　そう言うと、サウルは剣を抜いた。

　サウルが本気でヨナタンを殺そうとしているのを察した兵士たちは、思わずサウルとヨナタンの間に割って入り、必死の思いでサウルに訴えた。

　「イスラエルにこの大勝利をもたらしたヨナタンが死ぬべきだというのですか。とんでもないことです。今日、神があの方と共にいてくださったからこそ、この働きができたのです。神は生きておられます。あの方（ヨナタン）の髪の毛一本も決して地に落としてはなりません。」

　兵士の嘆願が功を奏し、サウルはヨナタンを殺す考えを棄てた。

　サウルはペリシテ軍をそれ以上追わずに引き上げた。ペリシテ軍も自分たちの土地へ帰っていった。

　だが、その後もサウルは外敵と戦い続けなければならなかった。モアブ、アンモン人、エドム、ツォバの王たち、ペリシテ人。特にペリシテ人との間には激戦が続いた。サウルはイスラエルの中に戦士として勇敢な男を見つけたときには、ためらわずに皆、召し抱えた。それらの男を雇い入れると自分の軍隊に編入し、そうして軍を率いてひたすらに外敵と戦い続けたのである。

（サムエル記上第１4章第２４節～第５２節より）

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