イスラムの歴史 (2010-2-4)

(2010-2-4)　ヨナタン、命に背く　part 2

（前回からの続き）

　軍の混乱を恐れたある者が、王サウルに告げた。「兵士は今、血を含んだまま動物を食べていて、主に罪を犯しています。」

　サウルは言った。「お前たちは裏切った。今日中に大きな石を私のもとに転がしてこい。」

　そうしてすぐに部下に命じて言った。

　「兵士の間に散っていき、彼らに伝えよ。『おのおの自分の子牛でも小羊でも私のもとに引いてきて、ここで屠って食べよ。血を含んだまま食べて主に罪を犯してはならない。』」

　やがて命令が行き渡り、兵士はおのおの自分の子牛などを引いてきて、そこで屠ることになった。こうしてサウルは、彼にとって初めてとなる祭壇をそこに築いた。

　兵士たちの空腹が満たされたであろう頃を見計らい、サウルは言った。

　「よし。このまま夜の間もペリシテ軍を追って下り、明け方まで彼らから奪えるだけの者を奪おう。一人も生き残らせるな。」

　彼らは「あなたの目に良いと映ることは何でもなさってください。」と答えたが、従軍していた祭司がサウルに「神の御前に出ましょう。」と言った。託宣で神の意思を占いましょう、という意味である。

　サウルはその意見を取り入れ、神の意思を占った。「私はペリシテ軍を追って下るべきでしょうか。彼らをイスラエルの手に渡してくださるでしょうか。」

　ところがその日、神はサウルには答えなかった。

（次回に続く）