イスラムの歴史 (2009-12-10)

(2009-12-10)　民、サムエルに王を求める　part 2

（前回からの続き）

　そこでサムエルは長老たちのところに戻り、神の言葉を伝えた上で、こう告げた。

「よいか。あなたたちは王を求めるが、王というのはこういうものである。すなわち、

　王はあなたたちの息子を徴用する。それは、戦車兵や騎兵にして王の戦車の前を走らせ、千人隊の長、五十人隊の長として任命し、王のための耕作や刈り入れに従事させ、あるいは武器や戦車の用具を造らせるためである。

　また、王はあなたたちの娘を徴用し、香料作り、料理女、パン焼き女にする。

　また、王はあなたたちの最上の畑、ぶどう畑、オリーブ畑を没収し、家臣に分け与える。

　また、王はあなたたちの穀物とぶどうの１０分の１を徴収し、重臣や家臣に分け与える。

　また、王はあなたたちの奴隷、女奴隷、若者のうちのすぐれた者や、ろばを徴用し、王のために働かせる。

　また、王はあなたたちの羊の１０分の１を徴収する。

　こうして、あなたたちは王の奴隷となる。その日あなたたちは、自分が選んだ王のゆえに、泣き叫ぶ。しかし、主はその日、あなたたちには答えてはくださらない。」

　それでもいいのか、と声には出さなかったものの、そういう目でサムエルは民を見回した。だが、外敵に苦しめられる民はサムエルの忠告に臆せずに答えた。

　「いいえ。我々にはどうしても王が必要なのです。我々もまた、他のすべての国民と同じようになり、王が裁きを行い、王が陣頭に立って進み、我々の戦いをたたかうのです。」

　もう一度、サムエルはさがって神に民の言葉を伝えた。神はサムエルに答えて言った。

　「彼らの声に従い、彼らに王を立てなさい。」

　サムエルはそこで民のところに戻り、言った。

　「まずはそれぞれ、自分の町に帰りなさい。誰が王にふさわしいか、考える時間がほしい。」

　そこで民は自分の町に帰っていった。

（サムエル記上第８章より）

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