イスラムの歴史 (2009-11-23)

(2009-11-23)　預言者サムエルの誕生　part 5

（前回からの続き）

　ついに神がサムエルを呼ぶこと三度目に及んだ。またしてもサムエルがエリのところにいくと、ついにエリは何が起きているのか、見当がついた。そうしてサムエルに言った。「戻って寝なさい。もしまた呼びかけられたら、『主よ、お話ください。しもべは聞いております』と言いなさい。」

　サムエルが戻って寝ると、またしても声がした。サムエルは、エリに言われたとおりに返事をした。

　すると、神の声がした。

　「見よ、私はイスラエルに１つのことを行う。それを聞く者は皆、両耳が鳴るだろう。その日私は、エリの家に裁きをくだす。息子たちが神を汚す行為をしていると知っていながら、とがめなかった罪のために、エリの家をとこしえに裁く。私はエリの家について誓った。エリの家の罪は、いけにえによっても献げ物によっても永久にあがなわれることはない。」

　それを聞いてから、再びサムエルは朝まで眠った。

　明くる朝。サムエルは神殿の扉を開いた。昨日の神の言葉を覚えてはいたけれども、サムエルはエリにこのお告げを伝えることを恐れた。

　そうこうするうちに、エリはサムエルを呼んだ。「わが子、サムエルよ。お前に何が語られたのか。私に隠してはいけない。お前に語られた言葉を１つでも隠すなら、神が幾重にもお前を罰してくださるように。」

　幼いサムエルには神の罰が怖かったので、結局、すべてを話した。黙って聞いていたエリは、サムエルの話が終わってもしばらく何も話さなかった。幼いサムエルが落ち着かないでいると、やがて静かにエリは言った。「それを話されたのは主だ。主が、御目にかなうとおりに行われるように。」　それだけ言うと、エリはサムエルから離れていった。

　時が流れた。サムエルは成長するにつれてその学を深めていき、人々の信頼を勝ち得ていった。

（サムエル記上第１章～第３章より）

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