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６．王国の成立 (2009-11-9) 預言者サムエルの誕生 part 1 エフライム山地のあるところに、１人の男がいた。名をエルカナという。エフライム族の者だった。 彼には２人の妻があった。一人はハンナ、もう一人はペニナという名前だった。ペニナには子どもがあったが、ハンナは子どもに恵まれなかった。 エルカナは毎年、自分の町からシロに上り、万軍の主を礼拝し、いけにえを捧げていた。シロには祭司エリとその２人の息子、ホフニとピネハスがいて、２人の息子も祭司をしていた。 いけにえを捧げる日には、エルカナはペニナと、その子どもたちに分け前を与えたが、ハンナにはその２倍を与えた。エルカナはハンナの方を愛していたが、神はハンナに子どもを授けてはくれなかった。夫がハンナの方を愛していることを知っていたペニナはハンナを憎み、ことあるごとにハンナには子どもがいないことを思い知らせてはハンナを悩ませ、苦しめた。こうしてハンナにとって、毎年、シロに上ることが苦痛になっていった。 今回シロに上ったときも、ハンナは泣いて何も食べようとはしなかった。夫エルカナはハンナに言った。 「ハンナよ、なぜ泣くのか。なぜ食べないのか。なぜふさぎ込んでいるのか。１０人の息子がいるよりも、私と一緒にいられることの方がまさるではないか。」 食事が終わると、ハンナはこっそり一家を抜け出して神殿に戻った。そして悩み嘆いて神に祈り、激しく泣いた。そうして誓いを立てて言った。 「万軍の主よ、はしための苦しみをご覧ください。はしために御心を留め、忘れることなく、男の子をお授けくださいますなら、その子の一生を主におささげし、その子の頭には決してかみそりを当てません。」 （髪の毛を剃らないことについては(2009- 5-21) 士師サムソン part 1参照） （次回に続く）
参考地図1-6-1：預言者サムエル
登場人物の整理：預言者サムエル
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