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(2009-6-29) 士師サムソン part 12 （前回からの続き） それからしばらくしたある日。サムソンは、ガザを訪れた。そうしてそこで一人の遊女がいるのを見て、彼女のもとに入った。 ガザの人々は、「サムソンが来た」との知らせを受けると、二手に分かれた。１つの隊はサムソンが泊まっている場所を遠巻きに取り囲み、もう一隊は町の門のところで待ち伏せることにした。そうして言い合った。 「夜明けになったら、彼を襲って殺してしまおう。」 そうして、サムソンが逃げないように、町の門を閉ざしておいた。こうしておけば、サムソンに逃げられることもない。安心した彼らは夜明けになったら行動することにし、漫然と夜明けを待った。
一方のサムソンは、遊女と戯れた後、しばらく寝ていたが、遊女がおびえてサムソンに知らせた。 「どうも、取り囲まれているようです。」 サムソンは即座に次の行動を決めた。たまたま泊まったこの遊女に迷惑はかけられない。彼は真夜中に起こすよう遊女に頼み、軽く眠った。遊女が真夜中に彼を起こすと、サムソンはただちに家を出た。 取り囲む者たちは、まさか真夜中にサムソンが出てくるとも思わず、不意をつかれた。 「まぁ、まて。町の門は閉ざしてある。そこで仲間と合流し、一緒にサムソンを討てばよい。」 そう言って密かにガザの男たちは闇の中、密かにサムソンをつけていった。 ところがサムソンは、町の門にたどり着き、それがかんぬきで閉ざされていることを知ると、やおら町の門の扉と柱をつかみ、例の怪力で、閉ざされたまま門を丸ごと引っこ抜いてしまった。 取り囲む男たちは、目の前で起きていることが信じられずに呆然としていた。その怪力を見せつけられて、あえてサムソンと戦おうという者などいるはずもなかった。サムソンは引っこ抜いた門を肩に担ぎ、悠然と去っていった。そうしてヘブロンを望む山の上までその門を運ぶと、その辺りにうち捨てた。 （次回に続く） 参考地図1-5-6：士師サムソン
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