イスラムの歴史 (2009-4-27)

(2009-4-30)　士師エフタ　part 6

（前回からの続き）

　そうしてイスラエルとアンモンは激突した。

　エフタ率いるイスラエル軍は、アンモン軍を完膚無きまでに撃破したのである。

　エフタはアロエルからミニトに至るまでの２０の町を落とし（位置不詳）、アンモン人を徹底的に撃ったので、アンモン人はイスラエルの人々に服従するようになった。イスラエルの人々はエフタを賞賛した。

　戦いが終わり、エフタはミツパの自宅に帰った。

　ところがエフタが家に帰り、門を開けて彼が最初に見たものは鳥でも羊でもなく、彼のたった一人の娘だった。

　あまりにも予想しなかった展開に衝撃を受け、エフタは凍り付いた。

　『主よ。もしもあなたがアンモン人を私の手に渡してくださるのなら、無事に私が家に帰り着いたとき、家の戸口で最初に見たものを私はあなたに捧げます。焼き尽くす犠牲として、あなたに捧げます。』

　彼自身が神に誓ったことだった。

　「そんな、馬鹿な。」

　それだけを絞り出すように言うと、エフタほどの剛の者が、膝をついてその場に崩れ落ちた。

（次回に続く）