|
(2009-3-26) アビメレク part 6 （前回からの続き） それから３年経った。 アビメレクはその間、イスラエルを支配下においたが、アビメレクとシケムの首長たちとの間に、険悪な空気が流れるようになった。その詳しい経緯までは聖書には記されていない。ともかく、シケムの首長たちはアビメレクを裏切ることにした。 手始めに、首長たちは人を雇って、アビメレクを襲わせるべく、山々の頂に配置した。ところがその者たちはならず者だったのであろう、手当たり次第に近くを通る旅人を襲うようになった。 旅人を襲うならず者たちのことはやがてアビメレクの知るところとなったが、アビメレクはまだ、その背後にシケムの首長たちがいることを知らなかった。
やがて、エベドの子ガアルとその兄弟たちがシケムを通りかかった。ガアルはシケムの首長たちと意気投合し、首長たちは宴を催した。首長たちは神殿でガアルと飲み食いし、やがてアビメレクを嘲った。 興に乗ってきたガアルは言った。 「アビメレクとは何者だ。その彼に仕えなければならない我々シケムの者も、一体何者だというのだ。アビメレクはエルバアル（＝ギデオンのこと）の子で、ゼブル（シケムの町長）はエルバアルの手下だったろう。そもそも彼らは、シケムの長老に仕える者ではなかったのか？ なぜ我々が、アビメレクに仕えなければならないのだ。もしシケムの民を私の手に託してくれるならば、アビメレクなんてすぐに片づけてやる。」 ガアルは酔っていた。さらに続けてこう言った。「アビメレクよ。お前の軍を増強して出てきたらどうだ。」 そうして皆で笑った。 だがこの言葉が、やがてシケムの町長、ゼブルに伝わった。ゼブルは激怒した。 （次回に続く） 参考地図1-5-4：アビメレク
|
