イスラムの歴史 (2008-3-26)

(2008-3-26)　アマレクとの戦い　part 2

（前回からの続き）

　翌日。ヨシュアはモーセの指示どおり、男子を選んで、戦闘部隊を編成していた。と言っても、武器が無い。めいめいに棒きれや石を携えていた。とにかくも戦いに勝利しなければ、民に安息はない。

　モーセとアロンは、フルという者を伴って丘の頂に立った。そうして果たして、アマレク人の集団がこちらを目指してきていた。もっとも、アマレク人も、この当時は辺境の民の１つで、エジプト軍やヒッタイト軍などの装備と比べるべくもない　－　せいぜいが青銅の剣を持っている者が何人かいるくらいで、あとは狩猟の道具としての槍や投石器があるくらいだった。

　戦闘が開始された。数に勝るが武器で劣るイスラエル人と、数は劣るが武器を持つアマレク人との戦闘は、優劣が容易に付かないまま経過していった。だが、モーセが杖を高く掲げると、イスラエルの側が優勢になった。モーセが疲れてきて手を下ろすと、アマレクの側が優勢になった。その様子を見たアロンとフルは、石を持ってきてモーセを座らせ、二人でモーセの手を支えた。こうしてモーセは日の沈むまで杖を掲げ続け、イスラエル勢は終始優勢に戦った。ヨシュアは敵の剣を奪い、それを駆使しながらついにアマレク人を撃退した。ヨシュアの命令で、回収できる限りの武器を回収して民は宿営地に戻った。

　夕方、神はモーセに言った。「このことを文書に書き記して記念とし、また、ヨシュアに読み聞かせよ。『わたしは、アマレクの記憶を天の下から完全にぬぐい去る』と。」　しかし実際には後代、アマレク人は何度もイスラエルの前に立ちはだかることになるのである。

　戦いが終わり、緊張の糸から解き放たれたモーセは、深い眠りに就いた。

（出エジプト第１７章第８～１６節より）

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