イスラムの歴史 (2008-1-28)

(2008-1-28)　ファラオとの交渉　part 2

（前回からの続き）

　こうして、役人たちはイスラエルの民に言った。「ファラオはこう言われた。『今後、お前たちにわらは一切与えない。自分でわらを探すのだ。ただし、れんがをつくる量を減らしてはならない。』」

　民はエジプト中に散って、わらを集めた。しかし、到底、以前と同じ量のれんがをつくることなどできなかった。役人たちは「なぜ、以前と同じ量のれんがをつくれないのだ」と言って、イスラエルの人々をむち打ったので、イスラエル人の代表がファラオのところに出かけて、陳情して言った。「どうしてエジプトの役人は、我々にあのように言うのですか。我々には、わらが与えられません。それでも同じ量のれんがをつくれと言って彼らは我々をむち打つのです。あの役人たちが間違っています。」

　しかし、ファラオは答えて言った。「この怠け者めが。お前たちは怠け者なのだ。だから主に犠牲をささげに行かせてくださいなどと言うのだ。すぐに行って働け。わらは与えない。しかし、以前と同じ量のれんがを作るのだ。」

　この言葉を受けて、イスラエルの下役の者たちは、自分たちが苦境に立たされたことを悟った。

　彼らがファラオのもとから退出してくると、モーセとアロンが待ち受けていた。彼らは、モーセとアロンに食ってかかった。「どうか、主が現れてあなたたちを裁きますように。あなたたちのおかげで、我々はファラオとその家来たちに憎まれている。我々を殺す剣を彼らの手に渡したのと同じだ！」

　吐き捨てるように言うと、彼らは帰っていった。

　救うべき同胞からこういう言葉を投げつけられては、やりきれない。モーセは神のもとに帰って、訴えた。「主よ、あなたはどうしてこの民に災いをもたらすのですか。私を遣わされたのは、一体、何のためですか。おっしゃるとおりにファラオのところに行ってから、ファラオはますますこの民を苦しめています。それなのにあなたは、ご自分の民を救おうとはされません。」

　神はモーセに言った。「いずれあなたは、私がファラオに為すことを見るであろう。私の手によって、ファラオはイスラエルの民を去らせる。」

（出エジプト記第５章～第６章第１節より）

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