イスラムの歴史 (2007-11-16)

(2007-11-16)　ヨセフ（再会編）　part 3

（前回からの続き）

　さて、ここで、Ｅ文書（北王国版）による文書が少し入る。

Ｅ文書版の物語

　彼らは互いに言った。「あぁ、我々は弟のことで罰を受けているのだ。弟が我々に助けを求めたとき、あれほどの苦しみを見ながら、耳を貸そうともしなかった。それで、この苦しみが我々にふりかかった。」

　すると、ルベンが答えた。

「あのときわたしは、『あの子に悪いことをするな』と言ったではないか。お前たちは耳を貸そうともしなかった。だから、あの子の血の報いを受けるのだ。」

　彼らはヨセフが話を聞いて理解しているのを知らなかった。ヨセフと兄弟たちの間に、通訳がいたからである。ヨセフはそっとその場から遠ざかって泣いた。

　この物語の意味はあとで解説するとして、本筋に戻ろう。

　兄弟たちが牢獄に入れられてから３日目になって、ヨセフは彼らに言った。相変わらず通訳つきである。「私も神を畏れる者だ。お前たちの言うことが本当かどうか、様子をみてみることにする。９人をここに残して１人だけ弟を連れてくるように言ったが、こうしよう。お前たちのうち１人を残し、９人は家族のところに食糧を持って帰り、その後、末の弟を連れてくるのだ。お前たちの言うことが本当だと確かめられたら、その１人も殺されることはない。だが、その末の弟を伴わずに私の前に現れようなどと思うな」

　兄弟たちは相談して、シメオンを残すことにした。

（次回へ続く）

←前の記事へ　　　次の記事へ→