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(2007-10-8) シケムでの出来事 part 4 （前回からの続き） ３日経った。ヤコブの息子、シメオンとレビは、手勢を集めて武器を持たせ、シケムの町を襲撃した。男たちは割礼の傷の痛みがあって、充分に戦うことができなかった。まぁ、だまし討ちである。「ちょっとひどすぎるんじゃないか」と個人的には思うのだが、ともかくシメオンとレビの集団は次々と、ろくに戦えない町の男たちを殺していった。 そうしてついに、シメオンたちはハモルとシケムの家に到達した。その頃には、彼らにも騒ぎが伝わっていた。痛みで戦えないこんな時に、一体誰が襲撃してきたのか？ 疑問と驚きに満ちたシケムたちの前に、シメオンたちが現れた。「お前たちは・・・！」あえぐシケムを斬って殺し、その父親ハモルも殺し、一族はついに妹ディナを救出した。 「大丈夫か！！」 シメオンたちはディナを抱えたが、様子が尋常ではない。心労で変わり果てた妹の様子が、何があったかを如実に物語っていた。シメオンとレビの怒りは頂点に達した。「皆殺し、だ。」 怒りに震えるシメオンが呟いた。そして自分の手勢に向かって叫んだ。「女と子どもは奴隷にする。それ以外の者は、一人も生かすな！！」 そうしてシメオンたちは、割礼の痛みで戦えない町の男たちを皆殺しにし、家畜と女と子どもを引き連れて帰った。
シメオンたちがキャンプに戻ると、ヤコブが苦り切って言った。「ディナを連れ戻したのはいいとしても」ため息をついて続けた。「こんなことをしては、我々は土地の者の憎しみを買う。我々は少数派なのだ。土地の者を敵に回しては、我々は滅ぼされてしまうではないか。」 すると二人の息子は反論した。「我々の妹が、娼婦のように扱われてもいいのですか。」 ヤコブは仕方なさそうに首を振った。とにかく、ここに居続けるわけにはいかない。さらに南下し、ベテルを目指すことにした。
・・・これで、シケム編は終了である（創世記３４章から。お断りしておくと、細部で創作した部分は多々あります。が、大筋は変えていません）。 ところでこの物語、Ｊ文書（南王国版）による。Ｅ文書（北王国版）では、シケムを取得した理由は実にあっさりしていて、「ヤコブは、天幕を張った土地の一部を、シケムの父ハモルの息子たちから１００シケタで」買い取ったことになっている（創世記第３３章１９節）。何でこんなにも違うのか、その理由は創世記の話が終わったところで解説したい。 （次回へ続く） 参考地図1-2-7：シケムでの出来事などに関する場所
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