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(2007-9-3) ヤコブ （ハラン脱出編） part 3 （前回からの続き） 「ついに、追いついたぞ。」 「どうします？」 息子の一人が、ラバンに聞いた。もう夕方になっている。ギレアドの山地の中、ヤコブの故郷カナンへ通じるルートはたかがしれている。 「今日は、もう日が暮れる。ここで野営しよう。明日、奴らに追いつく。勝負はそれから、だ。」 ラバンは一行に野営を命じた。 その夜、ラバンは不思議な夢を見た。神が現れたのである。そうして、神はラバンに告げた。「いいか。明日、ヤコブに追いついたとしても、ヤコブを一切非難してはならない。」 怖ろしさに打たれて、夢の中でラバンは神にひれ伏した。
夜が明けた。朝食を取りながら、ラバンは昨夜の夢のことを考えていた。ヤコブを責めてはならない？ ヤコブのこの逃避行は、神の意思だとでもいうのか？ しかしそれでも、ラバンには納得の行かないことがあった。 そうこうするうち、皆の食事が終わった。出発の時が迫っていた。夢のことを脇に追いやり、ラバンは一族に追跡の再開を命じた。ヤコブの一団は、もう目の前だ。 ほどなくして、ラバンの群れはヤコブの野営地に追いついた。ラバンの息子が、その辺にいた者をつかまえて言った。「我々は、ラバンの一族だ。ヤコブに話がある。ヤコブに引き合わせてくれ。」 （次回に続く）
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