イスラムの歴史 (2007-5-10)

(2007-5-10)　ソドム　part 2

（前回からの続き）

　ロト（アブラハムの甥）は、天使たちをみて、家に泊めた。すると、町の男たちがロトの家に押しかけてきた。いい男が外からやってきて、ロトの家に泊まったという噂が広まったのであろう。町の男たちは、楽しみのために天使たち（もちろん、町の住民は、それが神の使いとは知らない）を差し出すようにいきり立った。
　それに対して、ロトは言った。「私には、嫁に行っていない娘が二人いる。その娘たちを差し出すから、どうか客人には手を出さないでください」　だが、女性には興味がないソドムの男たちは、その申し出にまったく耳を傾けなかった。

　あわやというところで、天使たちは男たちに目つぶしをくらわせ、ロトを家の中に引き入れた。そうして、ロトに告白した。「実は、我々は神の命令で、この町を滅ぼすためにやってきました。家族を連れて、この町からお逃げなさい。」

　ことは急を告げていた。ロトは、こっそり、既に嫁に行った娘たちの家を訪ねて、一緒に脱出するように話したが、娘婿たちは取り合わなかった。それはそうであろう。夜中に義父がやってきて、何を言うかと思えば「明日、神がこの町を滅ぼされる。早く逃げるんだ」である。冗談を言っているか、さもなければ気が狂ったかと考えた。

　説得に応じないのを見て、ロトは決断した。やむを得ない。まごまごしていたら、自分たちも死んでしまう。ロトは自分の妻と、まだ嫁に行っていない２人の娘を連れて町を脱出した。脱出にあたり、神がロトに告げた。「命がけで逃れよ。決して後ろを振り返ってはならない。」　ロト一家は必死に走って山を目指した。ロトたちが逃れた後、天から火が降り注いでソドムの町は滅びた。逃げる途中、ロトの妻は、神の言葉を忘れて、思わず後ろを振り返ってしまった。妻は、ただちに塩の柱になって死んでしまった。

　翌日、（離れた場所に住んでいた）アブラハムが起きて、丘から甥のロトが住むソドムの方面を見ると、遠く甥の住んでいた辺り一帯は焼け尽くされ、いたるところから煙が立ち上っていた。神による滅ぼしが実行された後だったのである。その後、生涯、アブラハムはロトを見ることは無かった。

（以上の話は、旧約聖書　創世記　第１８～１９章の記述をもとに、管理人がアレンジした）

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