イスラムの歴史 (2019-3-16)

(2019-3-16)　エルサレム堕落の幻　part 3

（前回からの続き）

　そのとき、亜麻布をまとい腰に筆入れを着けている者が報告して言った。「私は、あなたが命じられたとおりにいたしました。」

　霊はまた、エゼキエルを引き上げ、神殿の東に面する東の門へ運んで行った。門の入り口に25人の男がおり、その中に民の指導者であるアズルの子ヤアザンヤとベナヤの子ペラトヤがいるのを私は見た。神はエゼキエルに言った。「人の子よ、この人々はこの都の中で悪をたくらみ、悪い計画を立てている。彼らは、『家をすぐに建てる必要はない。この都は鍋で、我々は肉だ』と言っている(*)。それゆえ、彼らに向かって預言せよ。人の子よ、預言せよ。あなたは言わねばならない。イスラエルの家よ、お前たちはそのように言い張っている。私はお前たちが心に抱いていることを知っている。」

* 『新共同訳　旧約聖書略解』（p.892）によれば、ヤアザンヤとペラトヤは、おそらくユダの高官。「悪い計画」は、エジプトを頼ってバビロニアに反抗する計画。「家をすぐに建てる必要はない。」の意味は不明。《肉》は貴重なものを、《我々》は支配階級を、《鍋》は堅固な守りを意味し、その中にいる自分たちは安全だという楽観的な発言とされる。

　神は続けた。「しかし、お前たちはこの都の中で殺される者を数多く出し、路上は殺された者で満たされる。それゆえ、お前たちがこの都の中に積み上げる殺された者こそ、その肉にほかならず、都は鍋である。しかし私は、お前たちをそこから引き出す。お前たちは剣を恐れているが、私はお前たちの上に剣を臨ませる。私は、お前たちをそこから引き出して、異国人の手に渡し、お前たちに対する裁きを行う。お前たちは剣に撃たれて倒れる。私はイスラエルの国境でお前たちを裁く。そのとき、お前たちは、私が主であることを知るようになる。

　この都が、お前たちにとって鍋となることはない。お前たちがその中で肉となることもない。私は、イスラエルの国境でお前たちを裁く。そのとき、お前たちは、私が主であることを知るようになる。お前たちは私の掟に従って歩まず、私の法を行わず、かえって周囲の国々のならわしに従ってきた。」

　そうこうするうちに、ベナヤの子ペラトヤは死んだ。エゼキエルは倒れ伏し、大声で叫んで言った。「ああ、主なる神よ。イスラエルの残りの者を滅ぼし尽くされるのですか。」　エゼキエルのこの嘆きには理由がある。ペラトヤという名前の意味は、「神は救う」という意味であり、ペラトヤが死んだことは、神が自分たちを見放す象徴のようにエゼキエルには思われたからだ。

（次回に続く）

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