イスラムの歴史 (2018-10-6)

(2018-10-6)　エレミヤ、巻物を燃やされる　part 3

（前回からの続き）

　そこで、ネリヤの子バルクは、預言者エレミヤが命じたとおり、巻物に記された神の言葉を神殿で読むこととした。

　ヨヤキムの治世第５年の９月に、エルサレムの全市民およびユダの町々からエルサレムに上って来るすべての人々に、断食をする布告が出された。そのとき、バルクは神殿で巻物に記されたエレミヤの言葉を読んだ。彼は書記官、シャファンの子ゲマルヤの部屋からすべての人々に読み聞かせたのであるが、それは神殿の上の前庭にあり、新しい門の入り口の傍らにあった。

　シャファンの孫でゲマルヤの子であるミカヤは、その巻物に記された主の言葉をすべて聞くと、王宮にある書記官の部屋へ下って行った。そこには、役人たちが皆、席に着いていた。書記官エリシャマ、シェマヤの子デラヤ、アクボルの子エルナタン、シャファンの子ゲマルヤ、ハナンヤの子ツィドキヤをはじめすべての役人たちがいた。ミカヤは、バルクが民の前で巻物を読んだときに聞いた言葉を、すべて役人たちに伝えた。

　役人たちは、ユディをバルクのもとに遣わして、「あなたが民に読み聞かせたあの巻物を持って来るように」と言わせた。そこで、ネリヤの子バルクは、巻物を持って、彼らのところに来た。彼らはバルクに言った。「座って、我々にも巻物を読んでください。」　そこで、バルクは彼らに巻物を読み聞かせた。

　その言葉をすべて聞き終わると、彼らは皆、おののいて互いに顔を見合わせ、バルクに言った。「この言葉はすべて王に伝えねばならない。」　更にバルクに尋ねた。「どのようにして、このすべての言葉を書き記したのか教えてください。彼の口述ですか。」　バルクは答えた。「エレミヤが自ら、私にこのすべての言葉を口述したので、私が巻物にインクで書き記したのです。」　そこで、役人たちはバルクに言った。「あなたとエレミヤは急いで身を隠しなさい。誰にも居どころを知られてはなりません。」　王に対する警告と滅亡の預言なのである。エレミヤとバルクに災いをもたらすであろうことは明白であった。彼らは巻物を書記官エリシャマの部屋に納めて、宮廷にいる王のもとに赴き、その言葉をすべて王に伝えた。

（次回に続く）

前の記事　　　次の記事