イスラムの歴史 (2018-6-10)

(2018-6-10)　ユダの王ヨアハズ／ユダの王ヨヤキム

　さて、ユダの話に戻る。(2018- 4- 7)　ユダの王ヨシヤ　part 4で書いたように、アッシリアの残党への援軍として北上してきたエジプト軍を迎え撃ったときにヨシヤは戦死し、その子ヨアハズがユダの王となった。しかし、ヨアハズが王として統治した期間は非常に短く、わずか三か月だった。エジプト軍が彼を拉致してしまったからである。エジプトは、ヨアハズをハマトの地のリブラに幽閉する一方、ユダ国に対しては銀100キカル（約3.4t）、金1キカル（約34.2kg）を科料として課した。列王記では、ヨアハズはその後、エジプトに連れて行かれてそこで死んだとしている。

　エジプトはヨアハズの兄弟、エルヤキムの名をヨヤキムと改めて、新たにユダの王に据えた（在位紀元前609年～紀元前598年）。ヨヤキムはエジプトへの科料を支払うに当たり、国庫の在庫だけでは足りず、国民に新たに課税せざるを得なかった。彼は割り当てに従って国民に銀と金を要求した。

　同じ頃、新バビロニア国では、その開祖ナボポラッサルは、紀元前609年（610年？）にハランを占領したあとは、内政に専念するようになった。バビロニア対アッシリアの一連の戦争における状況をおさらいすると、紀元前612年に新バビロニア軍ほか連合軍がアッシリア帝国の首都ニネヴェを占領。これを逃れてハランに集結していたアッシリアの残党をさらにバビロニア軍が撃破、ハランを占領（紀元前609年頃）。敗れたアッシリア軍はさらに逃れ、エジプトを盟主といだく都市、カルケミシュへと立てこもっていた。ここでいったん、バビロニアはアッシリア攻撃の手をゆるめ、最後の決戦に向けて今一度、力を蓄える時期に入った。

　ナボポラッサルに代わって軍事面を担当するようになったのは息子のネブカドネツァルである。メソポタミア地方の支配を確立することに新バビロニア国の力が注がれ、パレスティナ地方にまで干渉する余裕はなかった。結果としてこの間、パレスティナ地方はもっぱらエジプトの影響下にあった（『聖書時代史－旧約篇』p.164）。
　

参考地図1-8-13：ユダの王ヨアハズ／ヨヤキム
　

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