イスラムの歴史 (2014-1-4)

(2014-1-4)　エリシャの奇跡　part 4

（前回からの続き）

　エリシャはゲハジに命じて言った。「腰に帯を締め、私の杖を手に持って行きなさい。誰かに会っても挨拶してはならない。また、誰かが挨拶しても答えてはならない。お前は私の杖をその子どもの顔の上に置きなさい。子どもは、この方がいつも我々に食事を供してくださる部屋に横たえられている。」　その子の母親は、「主は生きておられ、あなた御自身も生きておられます。私は決してあなたを離れません。」と言ったので、エリシャは母親に言った。「さぁ、我々もあなたの子どものところに行きましょう。」　それで彼女は雌ロバに乗り、帰路についた。エリシャもまた、彼女の後について行った。

　エリシャに命じられたゲハジは一足先にシュネムへと急ぎ、女性の家にたどり着くと、階上の部屋に入ってエリシャの杖をその子どもの顔の上に置いた。だが、子どもは声も出さず、何の反応も示さなかったので、引き返してエリシャに会い、「子どもは目を覚ましませんでした。」と告げた。

　エリシャは彼女の家に着くと、彼女とゲハジには外で待つように告げ、家の中に入って階上の部屋に入った。するとそこでは、彼の寝台の上に死んだ子どもが横たえられていた。彼は部屋の戸を閉じ、二人だけになって神に祈った。エリシャは寝台に上がって子どもの上に伏し、自分の口を子どもの口に、目を子どもの上に、手を子どもの手に重ねてかがみ込むと、子どもの体は温かくなった。彼は起き上がり、家の中をあちこち歩き回ってから、再び寝台に上がって子どもの上にかがみ込むと、子どもは７回くしゃみをして目を開いた。

　エリシャはゲハジを呼び、「あのシュネムの婦人を呼びなさい。」と言った。ゲハジに呼ばれて彼女が来ると、エリシャは「あなたの子を受け取りなさい。」と言った。彼女は近づいてエリシャの足もとに身をかがめ、地にひれ伏し、自分の子どもを受け取って出て行った。

　一人の男がバアル・シャリシャ（位置不詳）から初物のパン、大麦パン20個と新しい穀物を袋に入れてエリシャのもとに持ってきた。エリシャは「人々に与えて食べさせなさい。」と命じたが、召使いは「どうしてこれを100人の人々に分け与えることができましょう。」と答えた。エリシャは再び命じた。「人々に与えて食べさせなさい。主は言われる。『彼らは食べきれずに残す。』」　召使いがそれを配ったところ、そのとおり、彼らは食べきれずに残した。

（列王記下第２章第１９節～第２５節、第４章より）

参考地図1-7-15：エリヤ、天に昇る～エリシャの奇跡

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