イスラムの歴史 (2013-3-2)

(2013-3-2)　預言者ミカヤとアハブ王　part 2

（前回からの続き）

　一方、アハブ王の使者は預言者ミカヤを訪ねていた。使者はミカヤに言った。「いいですか。預言者たちは口をそろえて王に幸運を告げています。どうかあなたも、彼らと同じように語り、幸運を告げてください。」　それに対してミカヤは「主は生きておられる。主が私に言われることを私は告げる。」と言って、アハブのもとに来た。

　アハブがミカヤに言った。「ミカヤよ、我々はラモト・ギレアドに行って戦いを挑むべきか、それとも控えるべきか、どちらだ。」　するとミカヤは面倒くさそうに言った。「攻め上って勝利を得てください。主は敵を王の手にお渡しになります。」　アハブは苛立たしげにミカヤに言った。「何度誓わせたら、お前は主の名によって真実だけを私に告げるようになるのか。」

　ミカヤは顔を背けて言った。「イスラエル人が皆、羊飼いのいない羊のように山々に散っているのを私は見ました。主は、『彼らには主人がいない。彼らをそれぞれ自分の家に無事に帰らせよ』と言われました。」

　イスラエルの王はため息をついてヨシャファトに言った。「あなたに言ったとおりではありませんか。彼は私に幸運ではなく、災いばかりを預言するのです。」

　だが、それに構わずにミカヤは続けた。「主の言葉をよく聞きなさい。私は主が御座に座し、天の万軍がその左右に立っているのを見ました。主が、『アハブをそそのかし、ラモト・ギレアドに攻め上らせて倒れさせるのは誰か』と言われると、あれこれと答える者がいましたが、ある霊が進み出て主の御前に立ち、『私が彼をそそのかします。』と申し出ました。主が、『どのようにしてそうするのか』とただされると、その霊は、『私は行って、彼の全ての預言者たちの口を通して偽りを言う霊となります。』と答えました。主は、『あなたは彼をそそのかして、必ず目的を達することができるに違いない。行って、そのとおりにせよ。』と言われました。今ご覧のとおり、主がこのあなたの全ての預言者の口に偽りを言う霊を置かれました。主はあなたに災いを告げておられるのです。」

　ミカヤの言葉に怒った預言者がいた。ケナアナの子ツィドキヤである。彼はミカヤに向かってつかつかと歩いていくとその頬を殴った。よろめくミカヤにツィドキヤは言った。「主の霊はどのように私を離れ去って、お前に語ったというのか。」　それに対してミカヤは、よろめきながら言った。「あなたが身を隠そうと、部屋から部屋へと移る日にそれがわかる。」

（次回に続く）

参考地図1-7-12：預言者ミカヤとアハブ王

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