イスラムの歴史 (2010-12-06)

(2010-12-6)　アンモン、アラムとの戦い　part 2

（前回からの続き）

　イスラエルに敗北したのを受けて、アラム人は再び集結した。ツォバの王ハダドエゼルはユーフラテス川の向こうにいたアラム軍を呼び戻してアンモンに向けて出発させた。やがてこのアラム軍は、司令官ショバクに率いられてヘラムに着いた。その報告を受けたダビデもイスラエルの全軍を集結させ、ヨルダン川を渡ってヘラムに向かった。

　アラム軍は態勢を整えてダビデを迎え撃ち、両軍は戦ったが、結局ダビデの側が優勢で、アラム軍は逃走した。ダビデはアラム軍の戦車兵７００、騎兵４万人を殺し、軍の司令官ショバクもその場で打ち殺した。ハダドエゼルに隷属していた王たちはイスラエルに敗北したことを認めて和を請い、今後はイスラエルに隷属することとなった。これ以後、アラム人はイスラエルを恐れて、二度とアンモン人を支援しなかった。

　年が明けた。再び戦に適した季節になると、ダビデは自らはエルサレムに留まる一方、ヨアブに全軍を預けて出陣させた。ヨアブの軍はアンモン人を野における戦いで破り、ラバを包囲した。

　ラバの攻略戦は激戦を極めたが、ヨアブは最終的にこの町の水源地帯を奪取した。ラバ陥落も時間の問題となったところで、ヨアブはダビデに使者を送って伝えた。

　「私はラバと戦い、水源地帯を確保しました。ただちに残りの兵を率いてこの町に対して陣を敷き、この町を陥落させてください。私がこの町を落とすと、この町は私の名で呼ばれることになってしまいます。」

　さっそくダビデは残りの兵を率いて出陣し、間もなくダビデがこの町を陥落させた。ダビデはラバの王の冠を、その王の頭から奪い取った。王冠は１キカル（約34.2kg）の金で作られ、宝石で飾られていたというが、宝石の話はともかく、黄金の量は誇張が含まれているか、あるいは現在の単位に置き換える際に誤差があるのかもしれない。この王冠は、この後ダビデの頭を飾ることになった。

　この他にもダビデがこの町から得た戦利品はおびただしかった。そこにいた人々を引き出し、のこぎり、鉄のつるはし、鉄の斧を持って働かせ、れんが造りをさせた。また、アンモン人の他の町々もすべてこのようにした。それからダビデとダビデの軍は、エルサレムに凱旋した。

（サムエル記下第１０章～第１１章第１節、第１２章第２６節～第３１節より）

参考地図1-6-19：ダビデとメフィボシェト～アンモン、アラムとの戦い

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