イスラムの歴史 (2010-11-01)

(2010-11-1)　ダビデ、イスラエルの王になる／ペリシテ軍襲来／ヘブロンで生まれたダビデの息子

　こうしてエシュバアルもアブネルもいなくなった今、もはやイスラエルの王になれるのはダビデしかいないことは明々白々であった。すぐさま、イスラエルの全部族は代表者をヘブロンに送り、ダビデに対して言った。

　「ご覧ください。私たちはあなたの骨肉です。これまで、サウルが私たちの王であったときにも、イスラエルの進退の指揮を執っていたのはあなたでした。主はあなたに仰せになりました。『我が民イスラエルを牧するのはあなただ。あなたがイスラエルの指導者となる』と。」

　こうして日取りが選ばれ、イスラエルの長老たちは全員、ヘブロンの王のもとに来た。ダビデ王はヘブロンで、神の前に彼らと契約を結んだ。長老たちはダビデに油を注ぎ、ダビデをイスラエルの王とした。このときダビデは３０歳であったとされる。

　ダビデがイスラエルの王になったことを伝え聞いたペリシテ人は、ダビデを倒すべく攻め上ってきた。新しい王を試す意味があったのだろうか。いずれにせよペリシテ軍はやってきて、レファイムの谷に陣を広げた。ダビデはイスラエル王に就任早々、試練に見舞われることになった。ダビデは神に託宣を求めた。

　「ペリシテ人に向かって攻め上るべきでしょうか。彼らをこの手にお渡しくださるでしょうか。」

　神はダビデに答えた。

　「攻め上れ。必ずペリシテ人をあなたの手に渡す。」

　ダビデはバアル・ペラツィム（位置不詳）に攻め入り、あっという間にペリシテ人を討ち滅ぼした。ダビデは言った。「主は敵を私の前で、水が堤防を破るように打ち破ってくださった。」　そのため、その場所はバアル・ペラツィム（破れ目の主）と呼ばれるようになった。ペリシテ人たちが自分たちの偶像をそこに捨てていったので、ダビデとその兵はそれを運び去った。

　時を置いて、ペリシテ人は再びダビデに向かって攻め上ってきた。今度も彼らはレファイムの谷に陣を広げた。ダビデが神に託宣を求めると、次のような答えが返ってきた。「攻め上らず、背後に回れ。バルサムの茂みの反対側から敵に向かえ。茂み越しに行軍の音を聞いたら、攻めかかれ。主がペリシテの陣営を討つために、お前に先んじて出陣されるのだ。」

　ダビデは託宣のとおりに行動し、ゲバからゲゼルに至るまで、ペリシテ人を討ち滅ぼした。

　また、ダビデがヘブロンを本拠地としている間、ダビデの息子として生まれた者たちは以下のとおりである。イズレエル人アヒノアムとの間に、長男アムノン。アビガイル（(2010- 8- 5)　ダビデ、ナバルに物資を乞う　part 2以降参照）との間に、次男キルアブ。ゲシュルの王タルマイの娘、マアカとの間に三男アブサロム。ハギトとの間に四男アドニヤ。アビタルとの間に五男シェファトヤ。エグラとの間に六男イトレアムが生まれた。

（サムエル記下第５章第１節～第５節、同章第１７節～第２５節、第３章第２節～第５節より）

参考地図1-6-16：ダビデ、イスラエルの王になる

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