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(2009-11-12) 預言者サムエルの誕生 part 2 （前回からの続き） そのハンナを見ている者がいた。祭司エリである。ハンナがあまりにも長い間祈っているので、エリは彼女をしばし見守った。見ると、彼女の口元が動いている。彼女が自分の祈りを声に出さずに心の内で祈っていたため、唇だけが動いて声は出なかったのだが、祭司エリはこれを彼女が酒に酔っているのだと思った。彼はハンナに近づくと言った。 「いつまで酔っているのか。酔いをさましてきなさい。」 ハンナは答えた。 「いいえ、祭司様、違います。私は深い悩みを持った女です。ぶどう酒も強い酒も飲んではおりません。ただ、主の御前に心からの願いを注ぎ出しておりました。はしためを堕落した女だと誤解なさらないでください。今まで祈っていたのは、訴えたいこと、苦しいことが多くあるからです。」 それを聞いてエリは言った。 「安心して帰りなさい。イスラエルの神が、あなたの乞い願うことをかなえてくださるように。」 ハンナは「はしためが御厚意を得ますように。」と言ってその場を去り、一家のもとに戻った。 戻った後のハンナは、どこか吹っ切れたようだった。もはや彼女は泣いてはおらず、一家の食事を続けた。エルカナ一行はシロに一泊すると帰路に就いた。
家に戻った後しばらくして、ハンナは身ごもった。ついに子どもに恵まれたのである。男の子が生まれた。神に願って得た子どもなので、ハンナはその子にサムエル（その名は神、の意）と名付けた。 （次回に続く）
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