イスラムの歴史 (2009-8-31)

(2009-8-31)　ナオミとルツ　part 3

（前回からの続き）

　ルツは言った。

　「あなたを見捨て、あなたに背を向けて帰れなどと、そんなひどいことを私に強いないでください。
　　　私は、あなたの行かれる所に行き、お泊まりになる所に泊まります。
　　　あなたの民は私の民
　　　あなたの神は私の神
　　　あなたの亡くなる所で私も死に、そこに葬られたいのです。
　　死んでお別れするのならともかく、その他のことであなたを離れるようなことをしたら、主よ、どうか私を幾重にも罰してください。」

　ルツの決意が固いのを見て、ナオミは説得を諦めた。二人は旅を続け、ついにユダのベツレヘムに着いた。

　ベツレヘムに着いてみると、町中の人々がナオミに気がついた。女たちがナオミではないかと声をかけると、ナオミは言った。

　「どうか私のことをナオミ（快い）などと呼ばないで、マラ（苦い）と呼んでください。全能者は私をひどい目に遭わせたのです。ベツレヘムを出て行くときには満たされていた私を、主はうつろにして帰らせたのです。なぜ快い（ナオミ）などと呼ぶのですか。主が私を悩ませ、全能者が私を不幸に落とされたのに。」

　こうして二人はベツレヘムに落ち着いたが、それは大麦の刈り入れの始まる頃であった。

（次回に続く）

参考地図1-5-8：ナオミとルツ

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