イスラムの歴史 (2009-5-14)

(2009-5-14)　士師エフタ　part 10

（前回からの続き）

　この一件によってイスラエルには、あるしきたりができた。来る年も来る年も、年に４日間、イスラエルの娘たちはエフタの娘の死を悼んで、家を出るのである。

　そうして失意のどん底に落ちていたエフタに、ある日、追い打ちのような報せが入った。

　エフライム族が、群れをなして攻めてきているという。エフタの部下は、エフタに指揮を取ってくれるよう、要請した。鈍い反応のエフタを、部下は引きずるようにして連れ出した。

　エフライム族の部隊は、ツァフォンに集結していた。エフライム軍と距離を置いて対峙するようにギレアドの部隊も集結していたが、その陣営にエフタは連れてこられた。

　そうして、エフライム族の使者がエフタを訪ねた。彼らは言った。

　「アンモン人との戦いに出向いたとき、なぜあなたは、私たちに同行を呼びかけなかったのか。あなたは、手柄を自分だけのものにしたかったのか。私たちは、あなたを家もろとも焼き払ってやる！」

（次回に続く）