イスラムの歴史 (2009-3-23)

(2009-3-23)　アビメレク　part 5

（前回からの続き）

　そうして、ヨタムはさらに続けた。

　「さて、あなたたちはアビメレクを王としたが、それは誠意のある正しい行動だろうか。それがエルバアル（＝ギデオンのこと）とその一族を正当に遇し、彼の手柄にふさわしく報いることだろうか。私の父はあなたたちのために戦い、命をかけて、あなたたちをミディアン人の手から救い出した。ところが今日、あなたたちは私の父の家に背いて立ち上がり、その息子７０人を１つの石の上で殺し、女奴隷の子アビメレクを、ただ自分たちの身内だからというだけで王とした。

　もし今日、あなたたちがエルバアルとその一族に対して誠意を持って正しく行動したと思うのなら、アビメレクと共に喜び祝うがよい。もしそうでなければ、アビメレクから火が出て、シケムの首長たちとベト・ミロ（※）をなめ尽くす。また、ベト・ミロから火が出て、アビメレクをなめ尽くす。」

　※　ベト・ミロ・・・おそらくは、シケムの城壁を補強する建物で、町の参議会が開かれていた場所のこと。

　山頂からアビメレクとシケムの首長たちを弾劾するだけ弾劾し、呪いの言葉を吐き終えると、ヨタムは後日降りかかるであろう難を逃れるため、逃げ去った。彼はベエル（位置不詳）に行き、アビメレクを避けてそこに住んだ。

（次回に続く）

参考地図1-5-4：アビメレク

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