イスラムの歴史 (2008-6-16)

(2008-6-16)　後継者の任命　part 1

　（自分に残された時間は、あとどれぐらいだろうか。）

　このころになると、モーセはたびたび自問するようになっていた。

　自分の寿命がもう間もないことは既に神から宣告されていた（(2008- 6- 2)　アロンの死参照）。残る問題は、自分が死んだ後でもイスラエルの民の定着を導ける後継者の選出だった。

　（誰がいいだろうか）

　この時期のイスラエルの民には、世襲という概念は無い（というよりも、王権自体がまだ無いことになっている　－　少なくとも聖書における記録では）。モーセは自分の子孫・親族を特別視する考えは無かった。

　（ヨシュアしかあるまい）

　モーセは、戦士ヨシュアを選んだ。これから先、約束の地に既に住む者との戦闘が控えている。統率力、戦闘の勘などを総合的に評価して、モーセはヨシュアを自分の後継にすることを決断した。

（次回に続く）