|
|
|
(2007-11-7) ヨセフ（エジプト編） part 4 （前回からの続き） ２年が過ぎた。 ある日、ファラオは夢を見た。ナイル川のほとりに立っていると突然、つややかな、よく肥えた７頭の雌牛が川から上がってきて、葦辺で草を食べ始めた。すると、その後から今度は醜い痩せ細った７頭の雌牛が川から上がってきて、先にいたよく肥えた７頭の雌牛を食い尽くしてしまった。ファラオは、そこで目が覚めた。 再びファラオが眠ると、また夢を見た。太ってよく実った７つの穂が一本の茎から出ていた。するとその後から、実が入っていない、東風で干からびた７つの穂が生えてきて、先の太った穂を飲み込んでしまった。 翌朝、ファラオは心配になってきて、エジプト中の魔術師と賢者を呼び集めて夢の内容を話した。しかし、夢の内容を解き明かせる者はいなかった。 朝食のとき、たまたま給仕役がこの話を耳に挟み、そこで彼はやっと、ヨセフのことを思い出した。給仕役はファラオに申し出た。「申し訳ございません。今日になって思い出しました。実は以前、私が牢に入れられていた頃、私も不可解な夢を見ました。その牢にはヘブライ人の若者も入れられていて、その者が夢を解き明かしてくれたところ、まったくそのようになったのです。その者に夢を解かせてみてはいかがでしょうか。」 ファラオはさっそく、人をやってヨセフを呼び寄せた。ヨセフは直ちに牢から出されて散髪し、衣服を整えて王の前に引き出された。ファラオはヨセフに尋ねた。 「私は昨夜、不思議な夢を見た。聞くところによると、お前は夢を解き明かすことができるそうだな。」 ヨセフは平伏して言った。「私が夢を解くのではありません。神がファラオの幸いについて告げられるのです。」 そこでさっそく、ファラオは自分が見た夢の話をヨセフにした。 （次回へ続く）
|
|
Copyright(C)2007. Hidenori Tsuchikura. All rights reserved (Except some contents I write "this is other person's or organization's product.")
|
トップページ
目次
前の記事
