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(2007-10-5) シケムでの出来事 part 3 （前回からの続き） 数日後。首長ハモルが息子シケムやしもべを従えて、ヤコブのもとを訪れた。ハモルの申し出にヤコブが難色を示していた頃 − 息子たちが家畜を連れて帰ってきた。「客が来ているようだが」 息子たちが母に尋ねると、母は例の一件をそれとなく漏らした。息子たちはそれを聞いて激高した。 「なんて奴だ、許せん！！」 そうして息子たちは父とハモル、シケムの会話をそっと聞いた。会話の様子から、シケムがディナに惚れ込んでいることはすぐにわかった。 「どうする。このまま奴らを殺してしまおうか」 レビが言うと、シメオンは答えた。「いや待て、いい考えがある。」 何といっても、まだディナは相手のもとにいるのである。息子たちは、計を練った。 そうして、ヤコブの息子たちは、素知らぬ顔で挨拶し、父ヤコブとハモル、シケムの話し合いの場に加わった。ハモルは、息子達に熱心に頼み込んだ。「息子のシケムは、ディナに惚れています。どうか、ディナを息子の嫁にしてください。こういうのはどうでしょう。お互いに姻戚関係を結ぶのです。あなたがたの娘を私どもにくださり、私どもの娘をあなたがたの嫁にしていただけませんか。そして、ここで私たちと一緒に住むのです。」 息子のシケムも続けた。「ぜひとも、よろしくお願いします。申し出があれば何でも差し上げます。どんな高い結納金でも贈り物でも差し上げます。ですから、どうかあの方を私の妻とさせてください。」 それに対して、シメオンは答えた。「それでは、条件があります。それは、我々の神への信仰を受け入れていただく、ということです。我々の信仰の中では、男子は割礼を受けることになっています。あなた方の民の男子がこれを受け入れていただけるのであれば、それは我々が１つの民になったのと同じ。そうすれば我々は、我々の娘たちをあなたがたに与え、あなた方の娘たちを我々がめとります。ですが、割礼を受け入れられないというのであれば、妹を嫁にやることはできません。」 ハモルとその息子シケムは、この条件なら受け入れてもいいと思った。シケムはディナに惚れ込んでいたので、諸手を挙げて受け入れた。 意気揚々と帰った彼らは、ヒビ人を説得した。割礼なんて儀式を聞いたことがない民は抵抗したが、シケムが説得した。「この風習を受け入れれば、私はディナを妻に迎え、彼らと１つになるのだ。そうすれば彼らの富（家畜、銀など）も我々のものだ。それに、彼らの娘も妻に迎えることができる。」 それで不承不承、町の民は提案を受け入れ、男子は皆、割礼を受けた。 （次回へ続く）
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