イスラムの歴史 (2020-10-17)

(2020-10-17)　預言者ハガイ　part 3

（前回からの続き）

　ダレイオスの治世第２年、すなわち工事再開と同年の9月24日、預言者ハガイに主の言葉が臨んだ。

　「万軍の主はこう言われる。祭司たちに、律法について尋ねなさい。『もし、だれかが、聖別された肉を衣の裾に入れて運んでいて、その裾がパン、煮物、ぶどう酒、油、そのほか何かの食物に触れたとする。これらのものは聖別されるだろうか』と。」　祭司たちは答えて、「されない」と言った。ハガイは言った。「もし、死体に触れて汚れた人が、これらのものの何かに触れたとする。これらのものは汚れるだろうか。」　祭司たちは答えて、「汚れる」と言った。ハガイは答えて言った。「私にとって、この民はまさにそのようだ。この国はまさにそのようだ、と主は言われる。彼らの手の業もすべてそのようだ。彼らがそこにおいてささげるものは汚れている。今日この日から以後、よく心に留めよ。

　主の神殿の石を積み重ねる前に
　お前たちはどんな状態であったか。
　人が20エファの小麦の山に来ても
　10エファしか得ず
　50バトのぶどう酒をくもうと酒ぶねに来ても
　20バトしか得なかった。
　私は、お前たちを
　その手の働きの実もろとも
　黒穂病と赤さび病とひょうで撃ったが
　お前たちのうちだれひとり
　私に帰らなかった、と主は言われる。

　この日以後、よく心に留めよ。この9月24日
　主の神殿の基が置かれたこの日から、心に留めよ。
　倉には、まだ種があるか。
　ぶどう、いちじく、ざくろ、オリーブは
　まだ実を結んでいない。
　しかし、今日この日から、私は祝福を与える。」

　同じ日、神の言葉が再びハガイに臨んだ。

　「ユダの総督ゼルバベルに告げよ。
　私は天と地を揺り動かす。
　私は国々の王座を倒し
　異邦の国々の力を砕く。
　馬を駆る者もろとも戦車を覆す。
　馬も、馬を駆る者も
　互いに味方の剣にかかって倒れる。

　その日には、と万軍の主は言われる。
　わが僕、シェアルティエルの子ゼルバベルよ
　私はあなたを迎え入れる。
　私はあなたを私の印章とする。
　私があなたを選んだからだ。」

　ハガイがその後、どうなったのかは記録が無いのでわからない。

　やがて神殿は約４年後に無事に再建されるのだが、その後、農作物の生産が順調にいったかといえば、必ずしもそうではあるまい。異邦の国が砕かれることもなかった。だが、何はともあれ、ユダヤ人の精神的な象徴の再建にはこぎつけたのである。ハガイ一人の功績ではあるまいが、民をその方向に導いたことは評価されてよいだろう。

（ハガイ書より）

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