イスラムの歴史 (2019-9-14)

(2019-9-14)　見張りの務め　part 2

（前回からの続き）

　エルサレム陥落の知らせがエゼキエルにもたらされる日の前の晩、神の言葉がエゼキエルに臨んだ。

　「人の子よ、イスラエルの土地のこれらの廃虚に住む者は言っている。『アブラハムはただひとりのとき、この土地を所有していた。我々の数は多い。我々にこの土地は所有として与えられている』と。それゆえ、彼らに言いなさい。主なる神はこう言われる。お前たちは血のついたまま肉を食べ、偶像に向かって目を上げ、人の血を流している。それでも、お前たちはこの土地を所有できるのか。お前たちは剣を頼みとし、忌まわしいことを行い、おのおの隣人の妻を犯している。それでも、お前たちはこの土地を所有できるのか。

　それゆえ、彼らにこう言いなさい。主なる神はこう言われる。私は生きている。廃虚にいる者たちは必ず剣に倒れる。野にいる者はすべて、獣に餌食として与え、砦と洞穴にいる者たちは疫病によって死ぬ。私はこの土地を荒れ地とし、荒廃した土地とする。この土地が誇った力はうせ、イスラエルの山々は荒れ果て、そこを通る者はなくなる。彼らが行ったすべての忌まわしいことのゆえに、私がこの土地を荒れ地とし、荒廃した地にするとき、彼らは私が主であることを知るようになる。

　人の子よ、あなたの同胞は城壁の傍らや家の戸口に立ってあなたのことを語り、互いに語り合っている。『さあ、行って、どんな言葉が主から出るのか、聞こうではないか』と。そして、彼らはあなたのもとに来る。民は来て、あなたの前に座り、あなたの言葉を聞きはするが、それを行いはしない。彼らは口では好意を示すが、心は利益に向かっている。見よ、あなたは彼らにとって、楽器にあわせて美しい声でうたうみだらな歌の歌い手のようだ。彼らはあなたの語ることを聞くが、それを行いはしない。しかし、そのことが起こるとき　－　見よ、それは近づいている　－　彼らは自分たちの中に預言者がいたことを知るようになる。」

　エゼキエルにエルサレム陥落の知らせが届いたのは、同じ年の１０月５日であったという。（聖書のエゼキエル書第３３章第２１節。なお、この部分では「捕囚の第１２年１０月５日」としているが、『新共同訳　旧約聖書略解』p.923にもあるとおり、別の写本やエレミヤ書の記述を参考に、「第１１年」と読み替えた方がよいと思われる。）

（エゼキエル書第３３章より）

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