イスラムの歴史 (2018-10-13)

(2018-10-13)　エレミヤ、巻物を燃やされる　part 4

（前回からの続き）

　王はユディを遣わして、巻物を取って来させた。彼は書記官エリシャマの部屋から巻物を取って来て、王と、王に仕える全ての役人が聞いているところで読み上げた。

　王は宮殿の冬の家にいた。時は九月で暖炉の火は王の前で赤々と燃えていた。ユディが三、四欄読み終わるごとに、王は巻物をナイフで切り裂いて暖炉の火にくべ、ついに、巻物をすべて燃やしてしまった。このすべての言葉を聞きながら、王もその側近も誰一人恐れを抱かず、衣服を裂こうともしなかった。また、エルナタン、デラヤ、ゲマルヤの三人が巻物を燃やさないように懇願したが、王はこれに耳を貸さなかった。それどころか王は、王子エラフメエル、アズリエルの子セラヤ、アブデエルの子シェレムヤに命じて、書記バルクと預言者エレミヤを捕らえようとした。しかし、二人はすでに雲隠れしていた。

　バルクがエレミヤの口述に従ってこれらの言葉を書き記した巻物を王が燃やした後に、主の言葉がエレミヤに臨んだ。「改めて、別の巻物を取れ。ユダの王ヨヤキムが燃やした初めの巻物に記されていた全ての言葉を、元どおりに書き記せ。そして、ユダの王ヨヤキムに対して、あなたはこう言いなさい。主はこう言われる。お前はこの巻物を燃やしてしまった。お前はエレミヤを非難して、『なぜ、この巻物にバビロンの王が必ず来て、この国を滅ぼし、人も獣も絶滅させると書いたのか』と言った。それゆえ、主はユダの王ヨヤキムについてこう言われる。彼の子孫には、ダビデの王座につく者がなくなる。ヨヤキムの死体は投げ出されて、昼は炎熱に、夜は霜にさらされる。私は、王とその子孫と家来たちをその咎のゆえに罰する。彼らとエルサレムの住民およびユダの人々に災いをくだす。この災いは、すべて既に繰り返し告げたものであるが、彼らは聞こうとはしなかった。」

　そこで、エレミヤは別の巻物を取って、書記ネリヤの子バルクに渡した。バルクは、ユダの王ヨヤキムが火に投じた巻物に記されていたすべての言葉を、エレミヤの口述に従って書き記した。また、同じような言葉を数多く加えた。

　潜伏しながらのこの作業中、さすがにバルクは音を上げてしまったことがあった。バルクは言った。「ああ、災いだ。主は、私の苦しみに悲しみを加えられた。私は疲れ果てて呻き、安らぎを得ない。」

　それに対してエレミヤは言った。「バルクよ、イスラエルの神、主は、あなたについてこう言われる。私は建てたものを破壊し、植えたものを抜く。全世界をこのようにする。あなたは自分に何か大きなことを期待しているのか。そのような期待を抱いてはならない。なぜなら、私は生けるもの全てに災いを下そうとしているから。主は言われる。ただ、あなたの命だけは、どこへ行っても守り、あなたに与える。」

（エレミヤ書第２５章、第３６章、第４５章より）

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