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(2012-4-7) バシャ家、滅ぶ／オムリ、北イスラエルの王になる 北イスラエルの王バシャは、宗教的には非難される行いを積み重ねたようである。聖書の列王記上第１５章第３４節では「彼（バシャ）は主の目に悪とされることを行って、ヤロブアムの道を歩み、イスラエルに罪を犯させたヤロブアムの罪を繰り返した。」としている。 そのころ、預言者イエフに神の言葉が臨んだ。「バシャに言うがよい。『私はあなたを塵の中から引き上げて、わが民イスラエルの指導者としたが、あなたはヤロブアムと同じ道を歩み、わが民イスラエルに罪を犯させ、彼らの罪によって私を怒らせた。それゆえ、今私はバシャとその家を一掃し、あなたの家もネバトの子ヤロブアムの家と同様にする。バシャに属する者は、町で死ねば犬に食われ、野で死ねば空の鳥の餌食になる。』」 紀元前883年頃、北イスラエルの王位はバシャの子、エラに移った。聖書の列王記上第１６章では直接言及は無いが、おそらくはバシャがその年に没したのであろう。だがその２年後には、エラはクーデターに遭う。その日、エラはティルツァにいて、ティルツァの宮廷長アルツァの家で酒に酔っていた。当時、エラの軍の主力部隊は、ペリシテ人の町ギベトンを攻めるために出撃しており、王の町は手薄になっていた。エラの部下で、２つある戦車隊のうちの１つの隊長、ジムリは部下を連れてアルツァの家を囲むと、侵入してエラに襲いかかり、打ち殺してしまった。そうして自ら、王を名乗ったのである。王位に就いたジムリは、すぐにバシャの家の一族を捕らえて皆殺しにし、その親族も友人も、男子は一人として生かしておかなかった。 ところが、ジムリの天下は７日間しかもたなかった。ペリシテ領ギベトンを攻略中だった北イスラエル軍は、エラが暗殺されたことを知ると、その司令官オムリを王に擁立したのである。オムリはギベトンの攻撃を中止し、すぐに全軍を率いてティルツァに引き返して町を包囲した。オムリ軍は簡単にティルツァを占領し、王宮を包囲した。追い詰められたジムリは王宮内の城郭に入ると、自ら王宮に火を放って死んだ。 しかし、オムリ政権は簡単には安定しなかったようである。オムリがジムリを倒した後で、北イスラエルの民の意見は割れた。民の半分はオムリを支持したが、もう半分はギナトの子ティブニという男を王とすべきとしたのである。こうして、北イスラエル内で戦いが続いた。約４年間の戦いの後、オムリ派が勝利し、経緯は不明だがティブニは死んだ。こうしてオムリは紀元前878年頃、北イスラエルを掌握した。 （列王記第１５章第３３節〜第１６章第２２節より） 参考地図1-7-4：バシャ家、滅ぶ
参考表 この時期の南北朝の王
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