|
(2010-1-7) サウル、王になる part 2 （前回からの続き） そうしてギブアにも、ヤベシュからの救援を請う使者が来ていた。ことの次第を聞いた民は声を上げて泣いた。 そこへサウルが牛を追って畑から戻ってきた。彼は尋ねた。 「民が泣いているが、何事が起こったのか。」 彼らはヤベシュの人々の言葉をサウルに伝えた。それを聞いていくうちにサウルに神の霊が激しくくだった。 彼は怒りに燃えて、くびきにつながれた２匹の牛を切り裂いた。そしてその肉片を使者に持たせて各地に送り、こう言わせた。 「サウルとサムエルの後について出陣しない者があれば、その者の牛はこのようにされる。」 使者を送る一方で、サウルはまずはギブアの有志を募り、部隊を編成してヤベシュへ向かった。サウルの要請を受けた各地の部族は恐れと義憤に駆られ、一丸となって出陣した。そうして三々五々、ベゼクに集まってきた。サウルが点呼すると、イスラエルが３０万人、ユダが３万人いたという − もっともこの数は誇張であろうけれども。 サウルは同時に、使者を送ってサムエルにも同行を依頼した。イスラエルの危機である。サムエルは快諾した。 またサウルは、ベゼクに来ていたヤベシュからの使者に言った。 「ギレアドのヤベシュの人々にこう言うのだ。『明日、日ざかりの頃、あなた方に救いが来る。』」 使者がヤベシュに帰って民にそう知らせると、ヤベシュの人々は狂喜した。そうして彼らはヤベシュを包囲するアンモン人ナハシュに使者を送って言わせた。 「明日、我々はあなたたちのもとに出て行きます。あなたたちの好きなようにしてください。」 （次回に続く） 参考地図1-6-2：サムエルとサウル
|
