イスラムの歴史 (2008-6-26)

(2008-6-26)　背信の予告

　イスラエルの民がヨルダン川の渡河を準備していたある日、神はモーセを呼んで言った。

　「あなたは間もなく先祖と共に眠る。するとこの民はすぐに、これから入っていく土地で、外国の神々を求めて姦淫を行い、私を捨てて、私が民と結んだ契約を破るであろう。その日、この民に対して私の怒りは燃え、私の顔を隠す。民は焼き尽くされることになり、多くの災いと苦難に襲われる。その日、民は、『このような災いに襲われるのは、我々のうちに神がおられないからではないか』と言う。私はそれでもその日、顔を隠す。彼らが他の神々に向かうことにより行ったすべての悪のゆえである。私は、私が誓った土地へ彼らを導き入れる前から、既に彼らが今日、思い図っていることを知っていたのである。」

　モーセは石のように押し黙ったまま神の言葉を聞いた。神が離れると、抜け殻のようにつぶやいた。「間もなく民はヨルダン川を渡る。主の予告どおり、私の終わりも近いのか。」

　（私が死ぬ前に、主の言葉だけは伝えておかなければ。）　モーセは長老たちを集めて言った。

　「わたしは、あなたたちがかたくなで背く者であることを知っている。わたしが今日、まだ共に生きているときでさえ、あなたたちは主に背いている。私が死んだ後は、なおさらであろう。私には分かっている。私が死んだ後、あなたたちは必ず堕落して、私の命じた道からそれる。そして後の日に、災いがふりかかる。あなたたちが主が悪とみなされることを行い、その手の業によって主を怒らせるからである。」

（申命記第３１章第１６～２９節）

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