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(2007-12-3) ヨセフ（再会編） part 10 （前回からの続き） 兄弟たちは、訳が分からなくなっていた。なぜ、この人は泣き始めたのか？ ようやく感情の高ぶりがおさまると、ヨセフはカナンの言葉で語り始めた。「私はヨセフです。あなたがたがエジプトに売ったヨセフです。」 今度は、兄弟たちが肝をつぶす番だった。さっきまでエジプトの言葉を話していた高官がいきなりカナンの言葉で語り始め、しかもあのヨセフだという。あまりにも兄弟たちの予想をはるかに超える事態に、呆然としていた。 ヨセフは言葉を続けた。「私が思うには、これはきっと神のお計らいでしょう。私が先にエジプトに遣わされたのは、これからも続く飢饉から我々を救ってくださるためなのです。飢饉は２年続いていますが、もう５年続くとのお告げがあります。兄さんたちではなく、神が私をエジプトに遣わせて、エジプトを治める者にしてくださったのです。急いでカナンに戻り、父を連れてきてください。」 ヨセフはベニヤミンを抱いて泣いた。そうして他の兄弟たちも抱いて泣いた。こうして兄弟たちはしばらく語り合った。 数日滞在するうちに、このことはファラオにも伝わった。ファラオは喜んで言った。「ツァフェナト・パネア（ヨセフのエジプト名）の家族が来ているのか。これほど喜ばしいことはない」 ファラオはヨセフを召して言った。「すみやかに、兄弟たちをカナンに送り、父上と家族をエジプトに呼び寄せるのだ。彼らにはエジプトの最上の物を贈ろう。エジプトの国から馬車を引いていって、父上をそれに乗せなさい。また、家財道具に未練を残さないように言いなさい。エジプトの国中で最良のものがあなたたちのものになるからだ。」 ファラオの命令に従って、ヨセフは兄弟たちに馬車や食糧を与えた。さらにヨセフは全員に晴れ着を贈ったが、特にベニヤミンには銀３００枚と晴れ着５枚を与えた。父ヤコブにもろば１０頭に積めるだけの贈り物と、さらに雌ろば１０頭に食糧を積んで贈った。 兄弟たちは喜び勇んでカナンの地に帰っていった。 （ヨセフ（再会編）は創世記第４２章〜第４５章第２４節より）
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